強みを生かし、佐久市の移住推進をサポート

佐久市リモート市役所
行政初となるSlackを活用した長野県佐久市の移住オンラインサロン「佐久市リモート市役所」を運営。2021年7月に「佐久市リモート市役所課長」を一般公募。
課題:「佐久市を盛り上げてくれる複業人材がほしい」
想い:「移住したからには、もっと佐久にコミットしたい!」

伊藤 侑果さん
神奈川県横須賀育ち。2021年2月の出産翌月に佐久市に移住。これまでにゴルフ場キャディーや、精肉店販売マネージャー、ソフトウェア開発企業など様々な業種に携わる。その後2020年に独立。現在は業務委託での企画営業職や、2021年9月から佐久市リモート市役所課長としても活動。

移住半年後に佐久市リモート市役所課長に就任

――現在、複業の一つとして「佐久市リモート市役所課長」のお仕事をされている伊藤さんですが、具体的にどのような業務をしているのですか?

伊藤:主に「Slack」というコミュニティツールを使って、情報発信を行っています。佐久へ移住を検討されている方や、佐久に興味のある方が書き込んだ質問に答えたり、自分から佐久の情報を発信していったりしています。例えば、「スタッドレスタイヤはいつ履きかえた方がいいですか?」とか「冬はどれくらい寒いんですか?」とか、そういった身近なことについてもお答えします。現在1500名を超える利用者の方がいて、日々いろんな話題で賑わっています。他にも佐久に興味を持っていただける企画を考案しています。例えば、昨年11月からは音声コンテンツ「FMリモート市役所」も始めました。私やリモート市役所職員のオススメの温泉や飲食店情報などを紹介し、佐久の情報を全国の方に向けて届けています。


――佐久に詳しい伊藤さんですが、ご出身は神奈川県で、29年間横須賀市で過ごされてきたということ。それまでは佐久との繋がりはなかったのでしょうか?

伊藤:全くなかったです。2021年2月に出産して、子供の1か月検診を終えた翌日には佐久に引っ越してきたのですが、それまで佐久を訪れたことも一度もありませんでした。でも、子供が生まれてからのことを考えると、神奈川ではなくて、もっと広い目で見て子育てがしやすい環境で暮らすのもいいなと思ったんです。その時に、ちょうどリリースされたばかりの佐久のリモート市役所の情報を見つけました。そこではSlack上で、市役所や市民の方が、リアルタイムで移住希望者の方の質問に答えられていて、とても親近感がわきました。私も実際に利用させてもらいましたし、出産した時もSlackに「生まれました」って投稿したら、みなさんが「おめでとう!」と言ってくださったりして、そういったやり取りで、「佐久市いいなぁ、佐久に行こうかな」と決めた感じです。


――とても短い期間での決断だったのですね。実際に佐久に移住されてみて、どうでしたか?

伊藤:私は車の運転が好きで、神奈川にいた時も車でよく買い物に行ったりしていたんですけど、駐車場がどこも30分200円とかで有料なんです。でも佐久は、駐車場が無料で広くて、そういう面も気に入りましたし、ゆっくりマイペースに暮らしていける雰囲気があって、子育てもしやすい環境だなと思いました。ただその時、すでに会社を退職して、個人事業で働いていたのですが、都内の案件ばかりで佐久の仕事が一つもなくて寂しいなと思っていたんです。そんな時に、移住前にお世話になったリモート市役所の「Slackを盛り上げてくれる複業人材募集」の告知を見つけて応募しました。

佐久に興味を持ってもらうためのアイディアを模索


――伊藤さんのこれまでの仕事経験やスキルが、リモート市役所課長の業務に生かされているなと感じる部分はありますか?

伊藤:私はこれまでにゴルフ場のキャディーや、精肉店販売マネージャー、ソフトウェア開発企業など様々な業種に携わってきました。もちろん、リモート市役所の課長の仕事においては、ITの知識が必要な面もあります。ただ、一番大切なのは、自分がリモート市役所の一員として何をしていきたいのか、どうしていきたいのかという“熱量”だと思っています。これまでのキャリア以上に、一緒に働いているリモート市役所の職員たちが、「この企画、楽しそうだから課長と一緒にやってみたい」と、そういうふうに思ってもらえるような自分自身の情熱やパワーがこの仕事では大切だと思います。契約期間も半年間と短いので、その中で自分がリモート市役所課長として何ができるのかを日々考えながら動いています。


――情熱といった部分でも、先の音声コンテンツ「FMリモート市役所」など、伊藤さんはこれまでにない新しいことをどんどん提案し、実行されていますね。

伊藤:昔からラジオパーソナリティーになりたいという夢もあって、この機会に音声番組に挑戦してみたいと思いました。広報公聴課の方も背中を押してくださり、開始から毎週2本ずつ投稿して、少しずつ再生回数も増えています。また、それ以外にも色んなアイディアを提案させていただいています。リモート市役所って、“リモート”と名がついているので、対面ではなくても人と繋がれたり交流できたりするのが強みなので、それを生かして出来ることを任期の3月まで実践していけたらと思っています。あとは、個人として部活動もやってみたくて、リモートからリアルな場の交流として、佐久に興味のある人たちで山岳部を作ってみたいんです。私も佐久に来てからまだ登山をしたことがなくて、山を通じて市民と関係人口とで交流できたらより佐久を深く知ってもらうきっかけになるかなと思いました。


――リモート市役所課長として働かれている中で、嬉しかったことや印象的だったことはありますか?

伊藤:嬉しかったことは、人との出会いが増えたことです。私がリモート市役所課長を務めていることを知って、佐久市の商店街の空き店舗の活用について相談されたこともあります。そこでは、子育て世代や、地域のおじいさんおばあさんがお茶のみ場として利用してくれるようになったらいいなというアイディア出しから、一緒にプロジェクトにも携わらせてもらったり。他にも、「実は私も佐久に移住しようと思っているんです」という相談をSNSのDMを通じてくださった方もいて、実際に移住された後に佐久でお会いしたこともありました。「課長の伊藤さんに相談してみようかな」というきっかけにもなるので、就任させていただけて本当によかったなと思っています。

興味のあることを仕事に変え、地域の課題解決にも取り組みたい

――複業ワーカーである伊藤さんは、リモート市役所課長以外にもいくつかお仕事をされているのですね。

伊藤:今は、リモート市役所課長の仕事以外に、WEBデザインの営業や、EV充填機普及の企画営業などを行っています。私は独立するまでは、会社員としてITの専門職で働いていた時期もありましたが、ある時、自分を見つめ直した時期があって、その時に自分は、プロフェッショナルの道を突き進むよりも、複数の興味を仕事にしていく複業ワーカーのほうが合っているんだと思いました。その後、会社を退職して独立してからは、自分のスキルを生かして色んなお仕事に携わらせていただいています。また、佐久に移住してからは、ワークテラス佐久を拠点に働いていますが、家で仕事すると身が入らなくても、ここに来れば個人事業の方も多くお仕事をされていて、自然と集中できます。また、YOBOZE!のコーディネーターの方にも、色んな方を紹介していただいたりして、横のつながりも増えました。仕事の面でも、子育ての面でも、佐久に移住して良かったなと感じています。


――移住されて1年が経って、改めてこれから佐久にどう関わっていきたいという思いがありますか?

伊藤:個人事業とは別に、佐久地域の課題を地域コミュニティを生かしながら解決していけるような事業を行っていきたいです。例えば、子育て世帯が子供用品を買って捨ててを繰り返すのではなく、地域コミュニティの中で有効活用して資源を循環させていく取り組みを行ったり。また、佐久の地域課題の一つである竹の伐採についても、竹素材を有効活用していく方法を考えていくなど、地域の課題解決ができるような佐久を代表する会社がつくれたらいいなと思っています。

■佐久地域の企業へのメッセージ

伊藤(複業人材側からのメッセージ):企業側が複業人材を活用するメリットは、キャリアやスキルのある人材をそこまで高い報酬ではなくても、業務委託という形で単発でもプロジェクトに携わってもらえる点だと思います。もし、複業人材の方が月1回だけの稼働であったとしても、その1回の稼働が企業にとっては大切で、その方がご提案してくださることは、企業にとって今後の大きな一歩にもなることもあると思います。その提案を受けてどうするかは企業側がその後、考えていけばいいだけなので、まずは一番最初の取っ掛かりとして、これまで社内になかったアイディアや気付きを外から運んできてもらえるというのは、すごくいいですよね。IT業務であっても、データ収集であっても、オペレーションの整理であっても、複業人材が視覚的に落とし込んで、「こういうことだから、こうしましょう」と提案をしてくれたり、今までなんとなくやってきたことを見直すきっかけにもなります。そういった部分でも、1か月からでも、1回からでもいいので、複業人材の方と一緒に仕事をしてみるのもオススメです。

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